ゼロクーポンとは
クーポン(利金) が無いかわりに、額面金額よりも低い単価で発行される債券のことです。
償還日に額面の金額が償還されることにより、利金をまとめて受け取ることができます。
通常の債券は、保有期間中、利金が支払われます。
ですがゼロクーポンは保有期間中、一切の利金が支払われ無い代わりに
償還日に【累積された利金相当分】がドカンと元本にくっついて来きます。
イメージ的には、
- 普通の債券 ⇒ 投信分配型 単利の商品
- ゼロクーポン債 ⇒ 再投資型 複利の商品
といった感じになります。(あくまでイメージですが)
この商品は、流動性もあり、満期まで待たなくても良く、好きな時に売ることができます。
ゼロクーポンの実例(例:40歳の時購入、65歳で売却予定)
以下の表は大和証券の米国債の「トレジャリーゼロ」のシュミレーションツール
を使用したものです。
【条件】米国債のゼロクーポンを買って、25年間寝かせた場合・・・
現在40歳$6,742で購入したもの ⇒ 65歳の時に$10,000で償還される
理論上は差額の$3,258 が償還差益(実際は利金の累積)となります。
ちなみに上記の ブレークイーブンポイント(損益分岐点)の 69.92円とは、
ドル円の為替が 1ドル=69.92円を下回らなければ利益が確保される
という事を意味しています。
リスク(デフォルト・為替)
債券という性質上、その国の財政状況によってはデフォルトリスクは存在いたします。
又、円で外貨を買って、長期運用し、最終的には外貨から円に戻すため、
購入時点よりも売却時点で円高であれば、為替差損が生じます。
ですので、自分なりの「想定」を持つことが重要です。
例えば私などは、米国債のデフォルトリスクは相対的に少ないと思い、
購入するならば、米国債のゼロクーポンで、
長期的(20~30年)には「円安ドル高」と見ているので
その前提でいけば、
償還時に無事多くの利金と共に元本も償還され、
為替差益も見込める、という訳です。
購入タイミング
債券そのものにも「価格」というものが存在します。
債券を買うべきタイミングは「金利の下落局面」です。
「世の中の金利」と「既に発行されている債券」は逆相関関係です。
例えば、皆さまが2%の債券を購入したとします。
その後、世の中の金利が3%、4%と上がると、
新規で3%、4%の債券が売り出されます。
当然、後に売りだされた債券の方が、
実質利子が多くもらえるのでそちらの方が価値が高い為、
2%の債券の方の市場価値は下がります。
allabout 「債券のしくみを整理しよう」から引用
ですので、債券を買うタイミングは、
景気後退局面で、高金利 ⇒ 低金利 の際がベスト。
過去記事で使用した「金利と景気」を示した図の3の終わり
過去記事:資産運用を真剣に検討してる方へ
つまり、時計の針の4時から6時頃の経済の局面で買うのがよいです。
購入のタイミングで安く購入でき、金利が下がっていく局面で保有債券の時価も上がります。
債券は途中で売れますので、ゼロクーポン債であろうが、普通の利付の債券であろうが、
低金利の底=債券価格が高い タイミングで売りぬいても良いでしょう。
(長期投資のスタンスで、ゼロクーポンを満期償還まで持っていてもよし)
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コスト(スプリットを考慮)
株よりもリスクが低い債券投資ですが、
売買にかかるコストは要注意です。
証券会社の人「外債購入は手数料かかりませんよ」
この言葉の意味は、
売買手数料はかからないけど、売買&償還スプリットで利ザヤを稼いでいる。
ご参考までに下記の図は、売買コストと償還時コストの表です。
(HS証券の場合)
エイチエス証券のシュミレーションから引用
赤く囲った箇所は償還時のスプリット、
その横の、金額に応じて変わる箇所のものは、売買スプリットです。
中途売却よりも償還時のスプリットが低いことが確認できます。
上記のはHS証券のスプリットです。
証券会社によって設定が違うので事前に確認してから購入したほうがよさそうです。
では実際、日本円でいくら戻ってくるか、シュミレーションしてみましょう。
(例)588,875円で買ったゼロクーポン債。
エイチエス証券のシュミレーションから引用
25年後 1,045,600円 1.8倍で戻ってくる。
この間、「円安ドル高」になれば、更に為替差益も見込めます。
(後は、利益が譲渡所得として課税されます。)
あとは証券会社側の為替レートコストも織り込まれてます。
まとめ
ポートフォリオが「株式ばかり」の場合、金融市場が収縮局面の場合は
金融資産の時価が目減りします。
「守りの投資」として、デフォルトさえしなければ償還金額が決まっている
この債券投資であるゼロクーポン債を組み入れることは、有効な投資手法といえます。
さらには
購入・売却のタイミングを気をつければ(売却時に円安で、市況が低金利であればベスト)
中途売却で十分な利益を得ることが可能となります。
過去記事:
債券と金利の関係について詳しく書いています ↓
金利が、株式と債券の資金の流れに影響することに触れています ↓

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